アミノ酸を十分に摂取すると、健康上さまざまなよい効果が期待できる。
まず、アミノ酸によってタンパク質をつくる能力が高まり、基礎代謝が上がる。
代謝が上がれば太りにくくなり、適度な筋肉がつくと、ボディラインにメリハリが出てくるはず。
また、免疫細胞を活性化させることで免疫力が高まったり、胃粘膜の修復によって消化吸収効率が上がる。
すると、鉄分不足の解消による貧血の改善のほか疲労回復も早まり、アミノ酸の種類によっては二日酔いや口臭防止、高血圧や高脂血症、動脈硬化などの生活習慣病の予防にもよい。
さまざまな恩恵がある中、効果が期待できるのが美肌や美髪の効果だ。
アミノ酸を摂ると、角質細胞のNMF(天然保温因子)が増え、潤った透明肌になる。
NMFもハリのもととなるコラーゲンも主成分はアミノ酸の集合体だ。
これによって、しわ、たるみを軽減できる。
さらに今、アミノ酸研究の最前線で注目されているのが、D-アミノ酸。
グリシンを除くアミノ酸には、構造上、立体異性体の関係にある2タイプが存在する。
タンパク質を構成するのはL-アミノ酸に限られるため、これまでのアミノ酸研究の多くはL体のみに絞られてきたが、アミノ酸の分析方法が進化して、D-アミノ酸も体内で重要な役割をしていることがわかってきている。
肌においても、D‐アミノ酸が働いていることがわかっている。
例えば、D‐アスパラギン酸には、真皮細胞をサビから守る抗酸化作用があり、D-アラニンには、表皮の土台である基底膜を整えて正常なターンオーバーを促す役割がある。
D-アミノ酸は赤ちゃんの角層に最も多く、加齢によって減少していくことがわかっており、今後の研究でさらなる機能が発見される可能性が高い。
D-アミノ酸は、アミノ酸なのに体組織にならない。
今のところサプリメントはL体だけだが、D体は食べても問題はない。
なぜなら、余分なアミノ激は体外に排出さるし、D‐アミノ酸は食品の熟成や発酵の過程でも自然に発生しており、発酵食品に多く含まれている。
例えば、大豆にはごくわずかなD-アミノ酸が、納豆になるとぐっと増加する。
発酵食品特有のうま味にも影響しているのではないかと考えられる。
今後、D-アミノ酸を生かした食品や化粧品が増えていくことは間違いない。
体をつくるアミノ酸はまだまだ新しい可能性を秘めている。
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